計算機統計セミナー

 

第3回計算機統計セミナー

2016年度第3回計算機統計セミナー

「臨床研究における欠測データの統計解析 -基礎から応用まで-」

臨床研究を含む研究・調査を計画する際,多変数のデータを,時に経時的に収集しようとしますが多くの場合,データの一部が欠測(あるいは欠損・欠落)します.データ解析の際には,欠測データ(missing data)に対する何らかの対処が必須となりますが,大半の統計学の書籍及びソフトウェアはデータが欠測していないことを想定するため,実務者はその対処に頭を悩ませます.本セミナーでは,欠測データへの対処法を基礎から応用まで解説します.欠測メカニズム(どのように欠測が生じるか)にMAR(missing at random)を仮定する手法に加え,感度分析の手法も解説します.臨床研究の例題が多いですが,臨床研究以外の一般の研究・調査データにも適用できる内容です.セミナーのスケジュールを下記に示します.

スケジュール (予定) 13:00ー17:00
・第1部 統計学と欠測データ
 ・完全データと欠測データの統計解析
 ・通常の統計ソフトの欠測データへの対処
 ・欠測データの統計解析の枠組み(欠測メカニズム,欠測パターン)
 ・欠測の無視可能性
 ・単純な統計手法(complete-case解析,single imputation法)
 ・重み付け解析

・第2部 欠測データの統計手法と適用例
 ・単調な欠測パターンに対する最尤法
 ・非単調な欠測パターンに対する最尤法(EMアルゴリズム)
 ・多重補完法(multiple imputation; MCMCやMICE法)
 ・反復測定データの統計解析(線形混合効果モデル,GEE,GLIMMIX)
 ・感度分析の手法

参考書:
以下の書籍が詳細な参考書となりますので、事前に購入され持参いただくとより深い理解につながります。当日セミナー資料を配付しそれをもとに解説しますので購入されなくても受講に支障はきたしません。
「欠測データの統計解析」阿部貴行 (2016) 朝倉書店.

・到達目標:
欠測データの統計解析の用語・定式化を理解し,状況(研究の推測対象,欠測メカニズム,欠測パターン)に応じた適切な手法を選択でき,結果を正しく解釈できる.

講師について
阿部貴行先生(慶應義塾大学)
(ご略歴)
・ 2007年 成蹊大学大学院工学研究科博士後期課程修了,博士(工学)
 万有製薬株式会社臨床医薬研究所に12年間勤務後
・ 2010年 慶應義塾大学医学部クリニカルリサーチセンター生物統計室 室長 特任講師
・ 2013年 慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室 専任講師
・ 2016年 慶應義塾大学病院臨床研究推進センター生物統計部門 部門長(併任)

所属学会:
日本計算機統計学会,日本統計学会,日本計量生物学会,国際計量生物学会,アメリカ統計学会
参加費は、日本計算機統計学会の一般会員の参加費を提示しています。会員種別、一般・学生の種別に対する参加費については以下の通りです。
  • 一般・会員:    6,000円
  • 一般・賛助会員: 10,000円
    (日本計算機統計学会の賛助会員の団体・企業に所属する非会員)
  • 一般・非会員: 13,000円
  • 学生・会員:    3,000円
  • 学生・非会員:  6,000円
    ※2016年度のセミナーは会員価格を30週年記念価格として割安にしております。
申込みは、こくちーず にて申込みください、申し込み後、
振り込み先:6月20日までに以下の口座にお振り込みください.
《ゆうちょ銀行》
口座番号: 00180-0-537374
【口座名義】日本計算機統計学会
※他の金融機関からの振り込みの場合は,次の番号になります.
〇一九 (ゼロイチキュウ) 店 当座 0537374
《銀行》
三菱東京UFJ銀行 青山支店
普通口座 5284324
【口座名義】 日本計算機統計学会
6月20日(月)までに振り込みいただけなかった場合には、残席があれば当日価格(上記参加費に1000円プラス)でお支払いいただくことになりますので事前に振込お願い致します。 不明な点は、右の問い合わせフォームでお問い合わせください。