日本計算機統計学会はこれまで、計算機統計学の発展を支える理論研究から、産業界での応用、さらには社会実装に至るまで、多様な専門家が知を持ち寄る場として、春季に大会を、秋季にシンポジウムを継続して開催してまいりました。

 記念すべき第40回大会を、豊かな自然と独自の文化を誇る岩手県盛岡市にて開催できることを大変嬉しく思います。本大会では、計算手法・アルゴリズム・応用事例など、幅広い分野の最新成果が共有されるだけでなく、参加者同士が自由に議論し、新たな研究アイデアが生まれる場となることを目指しています。医療・製薬、AI、教育、スポーツなどを中心に、分野横断的な社会課題を議論する多彩なセッションや講演を予定しています。また、産官学の先生方をお招きして、医薬品開発におけるリアルワールドエビデンスの薬事活用に関する企画セッションを準備しています。

 特別講演として、UCB S.A.のGustaf Rydevik氏による「Enhancing Clinical Development Decisions Through Integrated Stage-Gate and Quantitative Evidence Approaches」を予定しています。本講演では、臨床開発の重要な節目において不確実性を適切に解釈し、データに基づく意思決定を支援する統計的アプローチが紹介されます。
 また、岩手開催にふさわしい企画として、伝統工芸である南部鉄器に関する特別講演も予定しています。国内外で高い評価を受ける南部鉄器について、製造技術やデザイン、地域産業としての発展などを南部鉄器の工芸士としてご活躍の八重樫亮氏(㈱岩鋳)にご講演いただく予定です。

 近年、深層学習や生成AIの急速な発展により、計算機統計学はAI分野においても不可欠な基盤として注目を集めています。モデルの信頼性評価、大規模データの解析、シミュレーション技法、そして統計的推測の高度化など、計算機統計学とAIの境界は融合しつつあります。このような変革期において、研究者・実務家が集まり議論することは、次世代のデータサイエンスを切り拓くうえで極めて重要です。

 盛岡は、豊かな自然、歴史遺産、工芸文化が息づく街です。この地で過ごす時間が、参加者の皆様にとって新しい視点をもたらし、研究への刺激となることを願っております。第40回大会が、計算機統計学の未来を拓く契機となり、皆様にとって実り多いものとなることを心より祈念しております。盛岡でお会いできることを、実行委員一同、心より楽しみにしております。

日本計算機統計学会 第40回大会 実行委員長
五十川 直樹(ユーシービージャパン)